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最初のアップ

 夏休みの短編です。時期はハーマイオニーが来て数日後。
 「夏休み事件簿」という訳でネタをこしらえていくつかこんな感じに出したいな。時間率はバラバラになると思います。リボキャラ優先な感じになっているので要注意です。
 名前の所は××にしていますので自分の名前を入れてご覧下さい。



 はぁ。
 大きな溜め息をついて、あたしは灰色の天井を見上げる。どこぞの倉庫に閉じ込められて体内時計で測ったから正確ではないけど大体8時間くらいが経過していた。ああ、今頃ボンゴレ本部ではあたしを探して騒いでいるんだろうな、などと考えながらもう一度溜め息。
「ああ……」
 さらに溜め息をついてあたしは父さんの事を考える。きっとあの人は理解してくれるとあたしは信じている。だって同じ事をして同じような事になるだろうから。
「はぁ」
 もう一度溜め息をついてあたしはまた灰色の天井を見上げる。ごめんなさい、ドジりました。
「はああぁぁぁぁ」
「うっせぇんだよ! 溜め息つきまくりやがって!」
 目の前のあまり顔の整っていない誘拐犯を見て、ふ、とあたしは父さんの守護者達を思い起こす。顔だけは無駄に整っている面々だと言うべきか、顔を整えるならもう少し内面を整えて欲しかったと言うべきか……できればこの話題の討論は避けたい。
「だって、さぁ」
 半泣きになるのも仕方がない。だってドジちゃったのだ、あたし。
「誘拐なんて……ベタすぎーですー♪」
「おい、ちょっと頬でも切っとけ」
「晴の炎で治療してくれるかなー、了平兄」
 誘拐犯はとことん緊張感のないあたしに呆れの視線を向ける。顔に傷なんて別に気にしないんだけどなあたしは。気にするのはむしろ父さん達だと思うし。
「ごめん、ハーマイオニー」
 せっかくのお泊りなのに心配かけて。小さな子供を誘拐しようとしているこいつらを見つけて、ここはボンゴレのシマなんだから手ぇ出すなって意味で助けてやったら、逆にこいつらあたしがドン・ボンゴレの娘だと知ってさらに調子づいちゃったのだ。つまり、父さんから金をせびるらしい。
「はぁ」
 もう一度溜め息をつく。絶対、後で怒られる、と。

夏休み事件簿パート1~誘拐事件は蜜の味~


「××が行方不明?」
 という報告を貰ったのが5時間前の話で、もちろんオレ達はとっくに××の行方を掴んでいたし犯人が誰かも突き止め終わっていた。っていうか、犯人の方は金よこせ、って言ってきたし。
 どうやらあのバカ娘は誘拐されたらしく、理由は不明だけど多分誰かを助けようとした、とかそんなとこだろう。それが分かった時のみんなの表情は、うん、凄かった。安堵しているのにキレているって感じかな。あいつんなヘマやらかしやがって、って感じ。隼人はまだマシだったかな、お嬢、って頭抱えてるだけだったし武も、はは、って笑ってるだけだった。
 でも、恭弥さんと骸は凄かった。うん、これしかいいようがない。本当に凄かった。
 骸なんか笑顔でキレて、へーそうですかー、とか言いながらも目が全然笑ってないし、恭弥さんなんかその報告聞いた瞬間に草壁さんに連絡取って。
「哲。××の居場所は掴めたよね? 今から咬み殺しに行くから準備整えといてくれる」
 とか言っちゃってたから。
 生きてね、××。でも今回は自業自得だとオレも思うよ。
「10代目、どうします?」
「隼人とランボが残れば大丈夫だと思うよ。オレも説教しにいくから、本部はよろしく」
「分かりました。……お嬢、バカですよね」
「うん、そうだね」
 一つ言っておくと、無言でキレたのがもう一人。
 オレの家庭教師かてきょーにして××の師匠。黄色のアルコバレーノと呼ばれる最強のヒットマン、リボーンが一番キレてた。何も言ってなかったけど、背中が無言で怒ってた。
「生きてね、××」
 そっと娘の名を呼んでオレは黙祷を捧げる。多分、もう二度とヘマはしない、と誓わされて戻ってくるんだろう、とオレは思った。

********************

「これでオレ達の未来は安泰だな」
 けらけらと笑う誘拐犯A~Dを見て、あたしは首を傾げて呟いた。
「どこが?」
 ぎろり、と四人に睨みつけられたけど恭弥兄の睨みの方が数倍怖いのでもう一度問い返す。吊られてる腕が痛いなー、とか考えながら。
「だからさ、どこが?」
「天下のボンゴレから金を盗れるんだ、これで安泰じゃねぇなんて言えっかよ」
 誘拐犯Bのセリフにあたしは少し上を見て考える。天下のボンゴレ、は認めなければならない、っていうかあたしだってその権力が目当てでドンナ・ボンゴレになる訳だし。もちろん悪い目的には使わないけどそれを使いマフィア界を変える事に変わりはない。
 金を盗れる? どうやったらあの人外魔境からお金をせびれるのか、あたしが一番訊いてみたい。絶対にあの人達は金を払わない。払うなんてバカらしい、と特攻かけてくるに決まってる。
「頑張って、あの人外魔境から金をせびる方法を見つけたらあたしがその倍払うわ」
「……お前、一応誘拐されてるんだぞ」
 いや、そうだけども。
「天は二物を与えない」
『は?』
「ジャッポーネのことわざでさぁ」
 ふ、とあたしは遠い目をする。
「あたしの父さんの守護者、全員顔はいいのよ。身内が言うのもなんなんだけどさ」
 こくこく、と頷く誘拐犯。うっさいな、あんたらも顔見たら驚くぞ。どうやったらあんな美形ばかりが揃うんでしょうかね、全く。了平兄だってあんまり目立たないけどしっかり見てみると顔は綺麗だったりするのだ。全然他に劣らない。ただ、あんな性格なのとボクシング選手の筋肉質が邪魔してるだけなのだ。
「ただ、性格は全員片っ端から破綻している、って言うか始まってすらいない、って言うか……あの、なんていうの? 生まれた瞬間からすでに終わってる感じ?」
 身内だろお前、って目で見られたけど気にせずに続けるあたし。
「特に雲と霧なんて極端も極端で、人外魔境って言葉は多分あの人達の為に生まれてきたんだと思うのよね、あたし。どうやって父さんあんな化け物手に入れたのかあたしとしては本当に分からなくってさー……あれを人間に分類するくらいなら、あたし人間やめるわね」
「だから身内だろ、お前」
「でもあんなの人間に分類するのは全人類に対しての侮辱だと思うの」
 かたや電波ナッポーの世界滅亡を願い実行しようとするクフクハ笑いの変態。かたや戦闘と人の血を見る事だけが生きがいの強い人間だけを求める戦闘狂。
 ほら、生まれる前にすでに終わっちゃってるでしょ? 性格。
「クッフッフー、とかいう歌出してる時点で逝ってこいってな感じだしさぁ。っていうか守護者片っ端からシスコンって絶対ダメだと思うのよね、ああ、霧はロリコンだっけ……結局変態の域から抜け出せてないんだから意味ないけど。そろそろ死んでくれないのかなー、あの人。なんでホグワーツに顔出すのかなー、ムクロウ。なんでクリスマスに一般人がホグワーツのご飯食べてるのかなー、ありえないわよね、ホント」
 骸兄に対する暴言を吐き続けるあたしにA~Dは一歩たじろぐ。……おい、誘拐犯。一応あたしを捕らえてるんだからあたしに怯えてどうする。強気な態度くらいとってみせろよ情けないそれでも男か鬱陶しい。
 瞬間、あたしの背筋に悪寒が走る。ああ、最悪の事態が。
 あたしは謝罪の言葉を頭の中で並べ立てる。父さんに似て口下手なあたしはありきたりな言葉しか思いつかずに青ざめる。なんでこの人なんだよ助けに来るの。いや、違う。絶対、助けになんか来ていない。
 銀閃が壁を叩き割り、もうもうと立ち上る土煙の中から悠々と歩いてくる人影が一つ。そう、来てしまったのだ。ボンゴレの最凶にして最悪にして最強の、守護者。
「やあ、××」
 外の見張りのものだろうか、口元の返り血を舐めとって、恍惚の表情を浮かべながらも肉食動物の笑みを恭弥兄は浮かべた。
「咬み殺しに来てあげたよ。こんなヘマをしたんだから、分かってるよね?」
「ごめんなさいすみませんただ女の子がこいつらに襲われてたから助けただけなんですあたしが自分から捕まりに行った訳では決して!」
「うるさいよ、ツメが甘い君が悪い」
 泣きたくなってきた。あたしの言い訳を『うるさい』の一言で無視するなんていくらなんでも酷いじゃないか。あたしが一体何をした。ちょっとドジって捕まっただけなのに。
「クフフ」
 電波的な独特の笑い声。さっきまで思う存分に罵倒していたあたしとしてはかなり怖い。
「助けに来ましたよ、××。ついでにさっきの悪口の弁解は?」
 にっこりといい笑顔でして骸兄。っていうか地獄耳め、と言いたかったけど流石にそれはやめておく。すみません、と素直に謝り、後でお仕置きですよ、と左の壁から現れた骸兄に言われて本当に泣こうかと思った。吊られている腕が本格的に痛いのだという事にも誰か気付いて欲しい。
 次に決壊したのは右の壁。そして現れたのは、一番来て欲しくなかった人。
「しししししししししししし……!」
「××」
 黒い瞳は、完全無比にキレていた。
「お前、後でねっちょりお仕置きだぞ」
「師匠、ごめんなさい! あたしが悪かったんですそうです助けたからって安心したあたしが全面的に悪かったです! だからお願い、ねっちょりは! ねっちょりだけはぁっ!」
「あぁ?」
 腰を抜かしている誘拐犯の隣をすたすたと早歩きで歩き、あたしの顎に拳銃の銃口を突き当ててくる。すみません、マジに怖いです。
「お前が捕まったからこのオレが直々に来てやったんだ。
 それなりの報酬は必要だろうが、バカ弟子」
「ひ……!」
 かち、と中のホルスターが回される音。嫌だ、なんか凄いこの人怒ってる。ちょっとミスっただけなのに。説教で終わると思っていたあたしがの考えが甘かった? それともちょっと時期が悪かったとかでしょうか?
「ヴォルデモートに一回狙われてるってのに危機感なさすぎだぞ、バカ×××」
 心配されていたのは嬉しいんだけど、そのSっ気たっぷりの笑みを引っ込めてから言って欲しい。お願い、引き金をいじらないでマジで頭に風穴開きます。
「リボーン君、終わりましたよ」
 骸兄が三叉槍の返り血を払う。誘拐犯は手足を傷つけられて動けないまま縛り上げられていた。あまりにもあれはあれで気の毒だ。
 にやり、とリボーンが本当に、本当にいい笑顔を浮かべる。
「イッツ、お仕置きタイムだ。××」
 それを言うならイッツ死ぬ気タイムだと思う。
 ツッコめる程、あたしは命知らずでもなく余裕がある訳でもなかった。ひぃっ! という父さんさながらの叫びを上げて、あたしはがちゃがちゃと腕を拘束している手錠をいじる。逃げなければならない、とにかく逃げないと。
 腕を吊るしていた鎖をリボーンが手首ぎりぎりの所で打ち抜く。弾丸が掠めた瞬間にあたしの動きは一瞬だけ止まり、そしてその一瞬が致命的だった。
「覚悟しておけよ? 今夜は寝かせねぇからな」
「い、嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
 浪漫溢れるセリフは、恐怖溢れるセリフに成り代わった。

********************

「大丈夫だった? ×××」
「ありがと、ハーマイオニー。もう二度と捕まらないよあたし」
 静かにあたしは決意する。
 もう二度と誘拐されまい、と。
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